動産・売掛債権担保融資とは

「請求後、即現金化できたら仕入れがスムーズにいくのに。運転資金が楽になるのに。」という企業経営者の声は実に多く聞きます。一般に物的担保が無ければ 大型の資金調達は不可能です。「動産・債権担保融資(ABL)」はそんな物的担保の乏しい中小企業にとって大型の運転資金を調達可能にした融資商品です。

では、「動産・債権担保融資」とはどんな商品なのでしょうか?

真正な商取引による売掛債権や商品在庫があればそれを担保に資金化できる、画期的かつ先端的資金調達方法です。「動産・債権担保融資」は手形支払習慣の無い米国で急速に発展しました。 同じ売掛債権を対象にした金融商品である「ファクタリング」と「売掛債権担保融資」とを比較してみましょう。

売掛債権担保融資とファクタリングの比較

  売掛債権担保融資 ファクタリング
売掛先への通知・承諾 必要なし 必要
第三者対抗要件 債権譲渡登記 売掛先への通知・承諾または債権譲渡登記
償還請求 あり 基本的に無し
売掛金集金 譲渡人が自らおこなう (今までどおり) 売買ゆえ譲受人がおこなう

ファクタリングは融資ではなく債権買取業務のため売掛先に売掛債権を譲渡した事実の通知・承諾をしなければなりません。一方、「売掛債権担保融資」は債権の買取業務ではないため必要になりません。しかも集金は従来どおり譲渡人(借主)が自らおこなえます。

こうした使い勝手のせいか、米国において売掛債権担保融資はファクタリング以上に急成長しました。さらに、商品・原材料等たな卸し資産を担保とした動産担保融資を加えた「動産・債権担保融資(ABL)」はこの1976年~2006年までの31年間において、ファクタリングが6.3倍程度の伸びであったのに対し、41倍も伸び、利用残高は500億ドルに迫る勢いです。

(出典:Commercial Finance Association)
  ABL ファクタリング
利用残高(2006年) 489.3億ドル 127.1億ドル
成長率(1976→2006年) 41.1倍 6.3倍

一方、日本においても近年、政府が積極的にABL普及に乗り出しています。金融庁によると、2006年におけるABLの利用残高は2,029億円と試算しています。しかしこの額は 日本の企業の総借入残高の0.1%にも満たない額であり、米国においては企業の借入総額の2割が既にABLであることを考えると、これから一般化することが多いに期待されている融資商品と言えます。